現役フォトグラファー、元システム管理者として撮影、RAW現像、画像処理についてシェアさせて頂きます。

Ryzen 9 3900XのCPUでRAW現像用のPCを自作しました!【パーツ選定編 】

CPU Ryzen 9 3900X

自作だけでなく、PCショップでカスタマイズする時にも、細かいパーツ選びが必要な時がありますね。

Ryzen 9 3900XのCPUでRAW現像用のPC(デスクトップパソコン)を自作しました 【パーツ選定編 】

Ryzen 9 3900Xを使い、RAW現像、画像編集用のPCを組み立てました。

まずは、パーツの選定からお伝えしたいと思います。

RAW現像用のPCを自作、BTOで注文する際のパーツ選びの参考に

RAW現像をバリバリしたい、そう考えられている方で、パソコンを自作するあるいは、BTOでカスタマイズしたいが…

どんなパーツを選んだら良いのか、わからない!

そういう問題に答えます。

この記事のテーマ

RAW現像・画像処理に適した性能の良いパソコンのパーツ選びができます。

AMD Ryzen 9 3900XのCPUを使い自作PC、BTOのパーツを考える

自作PCのキモともいうべきパーツの選定には時間が掛かります。

性能と長期安定性を考えパーツを選びました。その基準を以下に挙げます。

  • 現像のスピード 仕事で大量のRAWファイルを現像するため
  • LightroomのHDR合成等の処理速度 これも時間短縮で必要です
  • Photoshopで、2GBを超えるファイルを処理する時のスピード
  • 性能は勿論、長期間に渡り安定した動作が得られること

RAW現像用PCのパーツ構成

Ryzen 9 3900X自作PCパーツ
Canon EOS 5Ds + TS-E 50mm F2.8 Macro

ちなみに上の写真も自分で撮影して、RAW現像したものです。

美術品が多いのですが、スタジオ撮影ではライティングが肝心です。

撮影は、5,000万画素のEOS 5Dsにレンズは、TS-E 50mmというシフトレンズを使っています。

それらを使い撮影して、最終的な仕上げの一つがRAW現像になります。

1. CPU — AMD Ryzen 9 3900X

2. マザーボード — X570を使ったゲーミング用

3. グラフィックボード Geforce 2060Super メモリ8GB

4.SSD PCI Express Gen 4.0 x 4 1TB

5.空冷のミドルレンジの物

6.電源ユニット 80PLUS Platinum 750W 

この記事は信頼できるの?

誰が書いているのか気になりますよね。

僕は現役フォトグラファーで、写真の撮影を生業としています。

主な被写体は美術品で、今まで7,000点以上の撮影をしてきました。

その中には国宝、重要文化財もありますが、国宝は数十点。

また重要文化財は沢山あり、撮影点数は正確に把握できていません。

そして、それらを撮影し、正確に再現する技術も必要とされます。

それがRAW現像であり、画像処理になります。

なので、趣味でRAW現像、画像処理云々と言っているわけではありません。

実務に基づいているものになっています。

また、過去にはシステム管理者として、自作パソコンをプライベートも合わせて140台以上組み立ててきました。

最初の仕事はコンピュータの回路設計でした。

そのような人間がこの記事を書いています。

読者さんへの最初のメッセージ

この記事がこれから、RAW現像・画像処理を本格的にしたい、趣味でしたいという方にお役に立てれば、これ以上嬉しい事はありません。

こちらに組み立て後、実際に現像してみた結果を書いています。

ある程度予想はしていましたが、素晴らしい性能です。

AMD Ryzen 9 3900XのCPUを使った実際のパーツ構成

実際のパーツの構成と選んだ基準と理由を挙げてみます。

まあ、参考程度ですが。

1. CPU AMD Ryzen 9 3900X

Ryzen 9 3900X
RAW現像に最適なRyzen 9 3900X (スタジオ撮影したもの)

選んだ基準・理由

ご存知の通り、RAW現像、画像処理では、CPUの性能で処理速度が変わってきます。

大量のRAWデータを現像する時も時間内に処理できる枚数が増えます。

また、デジタルカメラも年々高画素になり、それが当たり前になると、以前のCPUでは厳しくなります。

CPUのコア数が処理のスピードに大きく左右します。

確かに、この上位には16コアのフラッグシップであるRyzen 9 3950Xもあります。

金額と冷却、更に性能のバランスをとって、Ryzen 9 3900Xにしました。

12コア、24スレッドあります。

Adobe系のソフトとの相性問題は、これもソフト側が最適化されれば改善されます。

これに関しては、実際にRAW現像の作業をした結果を書いています。

マルチスレッドの処理能力は、同価格帯のIntel Core i9 9900kを遥かに凌駕します。

ベンチマークテストの一つである、Cinebench R20のマルチスレッドのスコアは以下の通りです。

  • Ryzen 9 3900X—-7130 (自作機の実測)
  • Core i9 9900K—–4800ほど (ネットの情報による)

このように、軽く40%以上の差がついています。

マルチスレッドのスコアの差は、最早相手ではないレベルです。

このマルチスレッドの性能が、RAW現像のスピードにも繋がります。

8コアと12コアなら違うだろう、思われるかもしれませんが、ユーザーが購入する場合、やはり予算の中で比較するので、コストも含めた比較が現実的かと思います。

8コア同士であれば、Ryzen 7 3700Xも8コアです。

Core i9 9900kと同じくらいの仕事をしますが、消費電力も半分位で、2万円近く安いです。

“Intelの安定性”と唱える方もいらっしゃいますが、毎月脆弱性が発覚するという安定性でしょうか。

Lightroomを使っていても、ファイルを選択するだけで、突然落ちる。

フリーズする、画面がブラックアウトするという経験をしています。

調べたところ、CPUであるCore i7に起因することがわかりました。

毎月のように発覚する脆弱性に対しての修正プログラムが、パフォーマンスを低下させている事はデータからも確かな事です。

2.マザーボード ASUS ROG Crosshair VIII HERO (Wi-Fi)

ゲーム用の高級マザーボードで、少々オーバースペックかもしれません。

AMDがRyzen 3000シリーズの評価用に貸し出すキットに使われているマザーボードでもあります。

Ryzen 9 3900X、3950Xクラスになると、電源も強化されたものが良いです。

ワットパフォーマンスも良いですが、より安定したシステムが構築できます。

日頃の安定性はもとより長期にわたって安心して使えるものを選んだ結果ですが、以下の機能も欲しくて決めました。

  • RAMDisk
  • バックパネルのCMOSクリアのボタン

確かに、RAMDiskはツールを使えばできるのですが、ある程度のマザーボードを選んでいる時に当機種が目につきチョイスしました。

RAMDiskは、Lightroom、Photoshopの仮想記憶域に使います。

これはかなり効果があるようです。

3.グラフィックボード ASUS DUAL-RTX2060S-08G-EVO

GeForce RTX 2060 Superを搭載した、オーバークロック仕様のカードです。

メモリはGDDR6 8GBを搭載しています。

以下のポイントによりチョイスしました。

  • Photoshop、Premiere等のアプリケーションで10bit出力が可能
  • 8GBのメモリ
  • ASUSのクーリングシステムによる静音化

4.RAM メモリ G.Skill F4-3600C18Q-64GTZN 64GB

AMD Ryzen 3000シリーズようにチューニングされたメモリです。

16GBの4枚刺しですが、3,600MHzで認識されています。

64GBにしたのは、マザーボードの所で書いたように、RAMDiskを使いたかった事と、過去の処理でも32GBでもメモリ不足と表示された事からです。

特に希望もしていませんが、8分割のRGB LEDにより、虹色に光ります。

ケースはFractal Design Define R6 USB-Cのサイドパネルが標準の物なので、光っても見えません。

ただ、差し込みが悪いと光らないので、意外な効果がありました。

メモリのスロットで片側ロックのものが増えてきていますが、差し込み不良になる事がまれにあります。

この時、光るメモリであればすぐに発見できます。

5. ストレージ – SSD CFD PG3VNF CSSD-M2B1TPG3VNF

PCI Express Gen 4.0 x4に対応したSSDです。

シーケンシャルリードが、最大5,000MB/sと、これまでの3,000MB/s代から大幅に速くなっているように感じますが、体感できるほどではないようです。

ただし、PCI Express 4.0 x4による帯域拡大だけでなく、新開発のPhison E16コントローラーが優秀で性能も良くなっています。

また、メモリは東芝製の「BiCS4」で、3D NANDの第四世代のチップ (3D TLC NAND)になっています。

特筆すべきは、この書き込み耐久性です。

総書込みバイト量 TBW(Total Byte Written)は、1,800TBWと謳っており、通常のNVMeのSSDの3倍にあたります。

価格もこなれてきており、ヒートシンクも”ない”ので、チョイスしました。

同時に発売されたGIGABYTEのものは、銅製の立派なヒートシンクが取り付けられ、魅力的に見えますが、実はマザーボードのヒートシンクの方が冷えます。

ただし、付属のヒートシンクを外すと、保証もなくなります。

更に、Ryzen 3000シリーズのローンチ前に発売された、CFD、GIGABYTE、CorsairのSSDは、中身が全部同じです。

6.CPUクーラー  Cryorig H7 Quad Lumi

CPUクーラーはかなり悩みました。

水冷に関しては、長期安定性と静音性の観点から検討しておらず、当初より空冷に決めていました。

やはり、冷却水漏れ、ポンプの故障等、壊れ易い部分がありますが、壊れるとダメージが大きく、経費も掛かります。

また、意外に思う方もいらっしゃいますが、水冷は音の発生源が増えるのでうるさくなります。

空冷もファンがありますが、ハイエンドのものほど、ファンが大きくゆっくり回るので静かです。

ところが水冷になると、ファンが回ることは同じとしても、筐体の外面に接する部分に設置され音がします。

更に、ポンプの音、パイプ内を液体が通過する音がするので、静かな事務エリアやリビングには置けない場合があります。

勿論、このあたりの音が許せるかどうかも個人差があります。

しかしながら、静かな事に越したことはありません。

幸い、このクーラーは静かで、冷却性能も問題はありませんでした。

苦言を呈するなら、PCが電源OFFでもLEDが点灯している事と、LEDはそもそも必要なかったことです。

USBのケーブルを外せば済みますが、メンテナンス時に電源がOFFになっているかの確認に使いたかったという事もあります。

LEDのないH7のモデルは冷却性能も劣るのでこちらにしました。

結果的に、メモリやマザーボードの巨大な電源周りのヒートシンクにも干渉することなく問題はありませんでした。

7.電源ユニット  Seasonic SSR-750PX

80 PLUS Platinum認証の750Wの電源ユニットです。

やはり、Corsair、Antecあたりが定番になっていますね。

他にも良い電源はありますし、検討もしました。

ところが、ある書き込みによると、Corsairの電源が故障した際、日本では受ける所がなく、台湾まで送ったそうです。

これは大変だと思い、調べていると、Seasonicの電源に辿り着きました。

日本では、Owltech – オウルテックが代理店になっており、随分前から、台湾のSeasonic社とやり取りして、良いものを開発してきたようです。

上位モデルは山洋電気製の静音ファンを始め、主要パーツは日本製を使っているとの事です。

保証期間の10年の間に壊れた場合、 交換や修理でなくて、 新品になるという事です。

これは確かな品質管理が出来ていないと、無理な話なので、信頼できると思います。

使ってみましたが、静かです。

Ryzen 9 3900XのCPUによる自作PCのまとめ

パーツ選びは、一回だけでは中々うまくいかないものですが、今回はそこそこのものに仕上がったなと思います。

だらだらと時間を掛けていた訳ではありませんが、時間をおいている間に、いろいろな情報が入ってきて、改善点も出てきます。

性能と長期安定性は確保できたと思っています。

冒頭の画像は、実際にこれから組み立てるパーツを撮影したものです。

ちなみに、EOS 5Ds + TS-E 50mm F2.8 Macroでシフトと若干のチルトをして撮影しています。

ライティングは、Sunstar Strobo Complete Oneのジェネレータタイプのストロボで、ヘッドはOCTA 32U+アンブレラを2灯です。

ただし、ここまで書いて何ですが、妥協なくパーツを選んだ結果、総額30万円ほどになりました。

結構な金額です。

ただ、このレベルの物をBTOで注文すると、40万円近くになるので、まあ良しとしましょう。

それを考えると、コストパフォーマンスだけでなく、絶対的にもかなり高性能なPCが出来たと思います。

余談ですが、BTOの場合、少しメモリを足すと、ぐっと金額が上がります。

組み立てが完了し、実際にRAW現像をしてみた結果はこちらです。

更にPhotoshopで2GBを超えるようなビックドキュメントのファイルの処理がどのようになるのか、僕もとても楽しみです。

ビックドキュメントPSBのファイルでは、5GB位のファイルを処理することもあります。

これらがどのようになるのか、レポートする予定です。

最後までお読み下さりありがとうございました。 m(_ _)m

Ryzen 7 3700Xの自作PCも制作する予定があります

Ryzen 9 3900Xは確かに高性能ですが、前述の通り、かなりの高額になってしまいました。

別の需要で、Ryzen 7 3700Xでパーツをそろえて自作する予定が出来ました。

少し時間を頂きますが、また、こちらでシェアさせて頂きます。

費用ももっと抑えられるので、既存のパーツを使いますが、新品でそろえても、15万円前後のレベルになると思います。

しかし、前述の通り、Ryzen 7 3700Xのパフォーマンスも高いので、Core i9 9900Kを超えるPCに仕上がると思います。

Cinebench R20(シングル、マルチ)、最も関心のあるRAW現像、Photoshop、動画のエンコード、OBSによるゲーム配信等、Core i9 9900Kを超えています。

しかも、消費電力はCore i9 9900Kの半分近くという、なんとも恐ろしいCPUです。

詳しい記事をこちらに書きました。

業務の撮影・画像処理が立て込んでおり、少し時間を頂きますが、楽しみにしておいてください。

>ようこそ、『あなたの写真ライフに』

ようこそ、『あなたの写真ライフに』

写真をはじめたものの、わからない事、知らない事、そもそも何がわからないという事もわからない。
そういう方もいらっしゃると思います。
一つ一つの疑問を解決すると、線と線が繋がり、それが面になり、知識も技術も向上していきます。
近くに教えてもらえる人がいない場合、そこに到達することも難しいかもしれません。
僅かながらも、そのお手伝いが出来ればと思っています。